孤独死を発見したらどうする?警察への連絡から特殊清掃までの流れを解説!
一人暮らしの家族や入居者が室内で倒れているのを発見した場合、何から対応すればよいのか分からず、慌ててしまう方も多いでしょう。
孤独死を発見したときは、自分で死亡を判断したり、遺体や室内の物に触れたりせず、警察や救急へ連絡することが最優先です。警察による現場確認が終わる前に清掃や片付けを行うと、調査に影響するおそれがあります。その後は、警察による現場検証・検視、遺体の引き取り、死因の提出、特殊清掃、遺品整理などを順番に進めます。
この記事では、孤独死を発見した直後の対応から、警察への連絡、遺体の引き取り、特殊清掃・遺品整理までの流れを解説します。
Contentsこの記事でわかること
- 📞 孤独死を発見した直後に取るべき行動
- 🚫 警察の確認前にしてはいけないこと
- 🔍 警察による現場検証・検視の流れ
- 🚐 遺体の引き取りから死因提出までの手続き
- 🧹 特殊清掃・遺品整理を依頼するタイミング
- 🤝 遺族が確認しておきたい場合別の対応
孤独死を発見したときの初期対応

孤独死の可能性がある人を発見したら、呼びかけに反応がなくても、自分で死亡していると判断してはいけません。
状態が分からない場合は119番、明らかに亡くなっていると考えられる場合や、事件・事故の可能性がある場合は110番へ連絡します。
| 発見時の状況 | 主な連絡先 |
|---|---|
| 呼びかけに反応がない | 119番 |
| 呼吸の有無を判断できない | 119番 |
| 倒れていて状態が分からない | 119番 |
| 明らかに亡くなっていると考えられる | 110番 |
| 室内が荒らされているなど不審な点がある | 110番 |
判断に迷う場合は、まず119番へ連絡し、指令員に状況を伝えてください。救命できる可能性が残っている場合もあるため、見た目だけで判断しないことが重要です。
警察・救急への連絡
119番へ通報すると、指令員から住所や倒れている人の状態などを順番に確認されます。
通報時には、主に次の内容を伝えます。
- 現場の住所と部屋番号
- 倒れている人の状態
- 呼びかけへの反応
- 呼吸をしているか
- 発見した経緯
- 最後に連絡を取った時期
- 通報者の氏名と電話番号
- 玄関の施錠状況
住所がすぐに分からない場合は、建物名や近くの交差点、目印になる施設などを伝えましょう。
総務省消防庁では、119番通報をすると指令員が救急車の出動に必要な情報を順番に確認し、緊急性が高い場合は、すべての聞き取りが終わる前でも救急車を出動させると案内しています。(消防庁)
指令員から胸骨圧迫などの応急手当を指示された場合は、電話を切らずに案内に従ってください。遺体の状態を確認するために無理に触れるのではなく、指示された範囲で対応します。
一方、腐敗が進んでいるなど明らかに亡くなっていると考えられる場合や、室内に荒らされた形跡がある場合は110番へ連絡します。警察庁も、事件や事故に関する緊急通報には110番を利用するよう案内しています。(警察庁)
現場保全の注意点
警察や救急が到着するまでは、遺体や室内の状態をできるだけ変えないことが重要です。
次のような行動は避けてください。
- 遺体を動かす
- 遺体の周辺にある物を移動する
- 床や壁の汚れを拭き取る
- 寝具や衣類を片付ける
- 窓を開けて換気する
- エアコンや換気扇を操作する
- 遺品や貴重品を持ち出す
- 特殊清掃業者を室内へ入れる
孤独死に見える場合でも、病死、事故、事件のどれに該当するかは、警察や医師による確認が終わるまで分かりません。
遺体や家具を動かすと、死亡時の状況や事件性の有無を調べるための情報が失われる可能性があります。臭いや害虫が気になっても、自己判断で換気や清掃を始めないでください。
特に集合住宅では、窓を開けたり換気扇を回したりすることで、臭いが共用廊下や近隣住戸へ広がるおそれもあります。
特殊清掃業者への電話相談や仮見積もりはできますが、実際に室内へ入って作業できるのは、警察による現場確認が終わり、立ち入りが認められた後です。
ポイント
発見直後に行うのは、警察または救急への通報です。遺体の移動、換気、清掃、遺品の持ち出しは行わず、到着した警察官や救急隊員の指示に従いましょう。
警察による現場検証・検視

孤独死の可能性がある現場では、警察が遺体や室内の状態を確認し、事件性の有無や死亡時の状況を調べます。
持病がある人の自宅での死亡であっても、外見だけで死因を確定することはできません。そのため、警察による確認が終わるまでは、遺体や家具、室内の物に触れず、現場の状態を保つ必要があります。
警察から故人の病歴や最近の様子について聞かれることもあるため、分かる範囲で正確に答えましょう。
現場で確認される主な内容
警察は遺体だけでなく、室内の状況や発見までの経緯も確認します。
| 確認される内容 | 確認する目的 |
|---|---|
| 遺体の状態 | 外傷や不自然な点がないか調べる |
| 室内の状況 | 荒らされた形跡や事故の可能性を確認する |
| 発見時の状況 | 誰が、いつ、どのように発見したか確認する |
| 病歴・通院歴 | 持病や生前の治療状況を把握する |
| 最後の連絡日時 | 死亡時期を判断するための参考にする |
| 鍵や貴重品の状態 | 第三者が出入りした可能性などを確認する |
現場では、室内や遺体の写真撮影、所持品の確認などが行われる場合があります。必要に応じて、発見者のほか、遺族、管理会社、近隣住民、かかりつけ医などへの聞き取りが行われることもあります。
聞き取りを受けた際は、推測で答えず、次のような事実を伝えます。
- 最後に本人と話した日時
- 最後に姿を確認した日時
- 持病や服用していた薬
- 通院していた医療機関
- 最近の体調や生活の変化
- 発見時の室内や玄関の状態
- 遺体や室内の物に触れたか
分からない内容は、無理に答えず「分からない」と伝えて問題ありません。
検視と検案の違い
孤独死の対応では、「検視」と「検案」という言葉が使われます。名称は似ていますが、担当者と目的が異なります。
| 手続き | 担当者 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 検視 | 警察 | 遺体や現場を確認し、犯罪性の有無などを調べる |
| 検案 | 医師 | 遺体を医学的に調べ、死因や死亡時刻などを判断する |
警察による検視で事件性がないと判断されても、死因が明らかになるとは限りません。死因を判断するため、医師による検案が行われます。
厚生労働省によると、死亡診断書と死体検案書は、いずれも人の死亡を医学的・法律的に証明する書類です。孤独死のように、診療中の病気による死亡と判断できない場合などは、死後の検案を経て死体検案書が交付されることがあります。(厚生労働省)
詳しい死因調査が行われる場合
遺体の状態や発見時の状況によっては、検視と検案だけで死因を特定できないことがあります。
その場合は、次のような調査が行われる可能性があります。
- 血液や尿などの薬毒物検査
- CTなどを使用した画像検査
- 遺体の解剖
- 歯科所見やDNAによる身元確認
- 医療機関への通院歴の照会
- 防犯カメラや通信履歴などの確認
これらの調査がすべての孤独死で行われるわけではありません。必要な調査は、事件性の有無、死因が判明しているか、遺体の状態などによって異なります。
警察庁は、警察が取り扱った遺体について、検視官の臨場数や解剖数を含む死体取扱状況を公表しています。警察による死因調査の方法は一律ではなく、個別の状況に応じて判断されます。(警察庁)
検視が終わるまでに遺族が行うこと
検視や検案が行われている間は、遺族が室内を清掃したり、遺体を引き取ったりすることはできません。ただし、次の手続きに備えた準備は進められます。
- 担当警察署と担当者の連絡先を控える
- 遺体の引き取り時期を確認する
- 搬送を依頼する葬儀社を探す
- 故人と遺族の本人確認書類を準備する
- 管理会社や大家へ状況を伝える
- 特殊清掃業者へ相談だけしておく
- 親族への連絡方法を整理する
葬儀社は、警察から引き取りの連絡が入った後に、遺体の搬送や安置を行います。検視が終わる時刻を事前に確定できないこともあるため、警察と葬儀社の双方に連絡が取れる状態にしておきましょう。
特殊清掃業者への問い合わせは可能ですが、警察の許可が出る前に室内へ入れてはいけません。現地調査や清掃を始める時期は、必ず担当警察署へ確認します。
ポイント
検視や検案にかかる時間は、遺体の状態や必要な調査によって異なります。遺体の引き取りや室内の清掃を急がず、警察から現場確認の終了と立ち入りの可否について案内を受けてから、次の対応へ進みましょう。
遺体の引き取りまでの流れ

警察による検視や医師の検案が終わると、遺族へ遺体を引き取れる時期が案内されます。
遺体は一般的に、葬儀社へ搬送を依頼し、警察署や安置施設から自宅・斎場などへ移します。警察から連絡を受けたら、まず遺体の安置場所と引き取り可能な日時を確認しましょう。
一般的な流れは、次のとおりです。
| 順番 | 主な対応 |
|---|---|
| 1 | 警察から検視・検案の終了連絡を受ける |
| 2 | 葬儀社を決めて遺体の搬送を依頼する |
| 3 | 死体検案書などの書類や所持品を受け取る |
| 4 | 遺体を自宅や安置施設へ搬送する |
| 5 | 死亡届を提出し、葬儀・火葬を手配する |
警察から連絡があった際は、次の内容を確認してください。
- 遺体が安置されている場所
- 引き取りが可能になる日時
- 必要な本人確認書類
- 死体検案書の受け取り方法
- 所持品や鍵の返却方法
- 葬儀社による搬送が必要か
遺体の状態や調査内容によっては、引き取りまでに時間がかかることがあります。正確な日時は一律ではないため、担当警察署の案内に従いましょう。
死亡診断書と死体検案書の違い
死亡後の手続きでは、「死亡診断書」または「死体検案書」が必要です。
| 書類 | 主に作成されるケース |
|---|---|
| 死亡診断書 | 診療中の病気に関連して死亡したと医師が判断した場合 |
| 死体検案書 | 診療中の病気による死亡と判断できず、死後に検案した場合 |
孤独死では、亡くなった時点に医師が立ち会っておらず、発見後に死因を調べることが多いため、死体検案書が作成されるケースがあります。ただし、状況によって異なるため、必ず死体検案書になるわけではありません。
いずれの書類も、死亡届の提出や保険金請求などで必要になります。死亡届を提出すると手元に原本が残らないことがあるため、提出前にコピーを取り、追加発行の方法や費用も確認しておきましょう。
ポイント
警察から遺体の引き取り日時を案内されたら、葬儀社へ搬送を依頼します。搬送費だけでなく、安置料やドライアイス代、時間外料金まで確認してから契約しましょう。
死亡届の提出・火葬

遺体の引き取り後は、死亡届を提出し、火葬許可を受けてから火葬を行います。
一般的な流れは、次のとおりです。
| 順番 | 主な手続き |
|---|---|
| 1 | 死亡診断書または死体検案書を受け取る |
| 2 | 死亡届を記入する |
| 3 | 市区町村へ提出する |
| 4 | 火葬許可証を受け取る |
| 5 | 火葬場を予約して火葬する |
死亡届を提出する
死亡届は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。
提出先は、次のいずれかの市区町村です。
- 故人が亡くなった場所
- 故人の本籍地
- 届出人の所在地
死亡届の用紙は、死亡診断書または死体検案書と一体になっています。医師が記入した部分は自分で修正せず、内容に誤りがある場合は作成した医師へ確認しましょう。
死亡届の提出は、葬儀社が代行してくれる場合もあります。
火葬許可証を受け取る
死亡届が受理されると、市区町村から火葬許可証が交付されます。
火葬場ではこの書類が必要になるため、葬儀社へ預けるか、紛失しないよう保管してください。
火葬は原則として、死亡後24時間を経過してから行います。ただし、孤独死では発見時点ですでに24時間以上経過している場合もあります。
火葬まで遺体を安置する
火葬場の予約状況によっては、遺体の引き取りから火葬まで数日空くことがあります。
その場合は、葬儀社の安置施設や自宅などで遺体を安置します。見積もり時には、以下の費用を確認しましょう。
- 安置料
- ドライアイス代
- 搬送費
- 火葬料
- 日程が延びた場合の追加費用
死亡診断書や死体検案書は、死亡届を提出すると手元に残らないことがあるため、提出前にコピーを取っておくと安心です。
特殊清掃・遺品整理への流れ

警察による現場確認が終わった後は、室内の状態に応じて特殊清掃と遺品整理を進めます。
発見までに時間がかかった現場では、体液や臭いが床・壁へ染み込んでいることがあります。安全に作業するため、原則として特殊清掃を先に行い、その後に遺品整理を進めます。
| 主な対応 |
|---|
| 警察から入室・清掃の許可を得る |
| 賃貸物件なら管理会社や大家へ連絡する |
| 特殊清掃業者へ現地調査を依頼する |
| 汚染物の撤去・除菌・消臭を行う |
| 遺品の仕分け・搬出を進める |
| 必要に応じて床や壁を修繕する |
特殊清掃を依頼する
特殊清掃では、体液や血液の除去、除菌、害虫駆除、消臭などを行います。
表面の汚れが少なく見えても、床下や壁の内部まで汚染が広がっている場合があります。家庭用洗剤で無理に清掃すると、臭いや汚染を広げるおそれがあるため、専門業者へ相談しましょう。
主な作業内容は次のとおりです。
- 汚染された寝具や床材の撤去
- 体液・血液の除去
- 室内の除菌・消毒
- 害虫の駆除
- 専用薬剤や機器による消臭
- 必要に応じた床・壁の解体
遺品整理を進める
室内へ安全に入れる状態になったら、遺品を仕分けます。
| 分類 | 主な例 |
|---|---|
| 貴重品 | 現金、通帳、印鑑、貴金属 |
| 重要書類 | 保険証券、契約書、年金関係書類 |
| 残す物 | 写真、手紙、形見 |
| 売却する物 | 家電、家具、ブランド品 |
| 処分する物 | 再利用できない家財や生活用品 |
相続放棄を検討している場合は、遺品や財産を処分する前に、弁護士や司法書士などへ相談してください。
見積もりの内容を確認する
特殊清掃と遺品整理をまとめて依頼できる業者もあります。契約前には、次の項目を確認しましょう。
- 特殊清掃と遺品整理の作業範囲
- 汚染物や家財の処分費
- 消臭・害虫駆除の料金
- 床や壁の撤去費用
- 原状回復工事の有無
- 追加料金が発生する条件
- 消臭後の再施工保証
ポイント
「作業一式」とだけ書かれた見積書では、料金の内訳が分かりません。作業内容と金額が項目ごとに記載されているか確認しましょう。
遺族が確認できない場合の対応

孤独死を発見しても、故人の親族や緊急連絡先がすぐに分かるとは限りません。
親族が確認できない場合は、発見者や管理会社が独断で遺体を引き取ったり、遺品を処分したりせず、警察や自治体の案内に従って対応します。
| 状況 | 主な対応 |
|---|---|
| 親族の連絡先が分からない | 警察が身元や親族関係を確認する |
| 身元を特定できない | 所持品や公的記録などから調査する |
| 親族が見つからない | 自治体が火葬などを行う場合がある |
| 賃貸住宅で発生した | 管理会社・大家が警察や自治体と連携する |
| 遺品や財産が残っている | 勝手に処分せず、法的な手続きを確認する |
警察が身元や親族を確認する
遺体の身元や親族が分からない場合は、警察が所持品や本人確認書類などを調べます。
確認に使われる可能性があるものは、次のとおりです。
- 運転免許証や健康保険証
- 携帯電話や連絡先
- 通帳や郵便物
- 賃貸借契約書
- 管理会社が保管する緊急連絡先
- 医療機関の診察券や通院記録
管理会社や大家が緊急連絡先を把握している場合は、警察へ情報を伝えます。ただし、発見者が故人の携帯電話を操作したり、室内の書類を持ち出したりしてはいけません。
親族が見つからない場合
警察による確認を行っても引き取り手が見つからない場合は、自治体が遺体の火葬や埋葬などを進めることがあります。
ただし、実際の対応は、故人の身元が判明しているか、親族が存在するか、引き取りを拒否しているかなどによって異なります。
発見者や管理会社は、次の窓口へ状況を確認しましょう。
- 担当警察署
- 物件所在地の市区町村
- 管理会社や大家
- 必要に応じて弁護士や司法書士
親族がいないからといって、管理会社や近隣住民が遺体の引き取りや葬儀を行うと一律に決まっているわけではありません。
遺品を勝手に処分しない
親族が確認できなくても、室内の家財や現金などを管理会社が自由に処分できるわけではありません。
遺品には、次のような財産が含まれている可能性があります。
- 現金や預貯金
- 貴金属や有価証券
- 家電や家具
- 契約書や権利証
- 借金や未払い料金に関する書類
相続人が存在するか分からない場合は、相続財産の管理に関する法的手続きが必要になることがあります。相続人が不明な財産については、関係者の申立てにより、家庭裁判所が相続財産清算人を選任する制度があります。
ポイント
親族が見つからない場合でも、遺体や遺品を発見者の判断で処理してはいけません。警察・自治体・物件の管理者で対応範囲を確認し、財産が残っている場合は専門家へ相談しましょう。
よくある質問
まとめ
孤独死を発見した場合は、遺体や室内に触れず、まず119番または110番へ連絡します。警察による現場確認が終わるまでは、換気や清掃、遺品の持ち出しも避けてください。
その後は、検視・検案、遺体の引き取り、死亡届の提出、火葬の順に手続きを進めます。
発見までに時間がかかった現場では、体液や臭い、害虫が発生していることがあります。警察の許可が出た後、特殊清掃を行い、安全を確保してから遺品整理を進めましょう。
特殊清掃でお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。


